漢方で見る髪の毛
漢方では髪の毛は血の余りといわれています。
血液に十分な栄養があれば、全身、そして髪の毛にも栄養が行き渡ります。
一番多い原因は血の異常の血が不足(血虚)または血行障害(お血)で白髪や抜け毛が多くなります。
産後に抜け毛が多いのは出産による血の消費が関係していると考えればわかりやすいかもしれません。
症状別で見る
・加齢による抜け毛(壮年性脱毛症)
髪は、「腎」とも密接な関係があります。
漢方でいう「腎」とは、生命力・生殖力の貯蔵場所です。
わかりにくいですが腎臓の臓器のことではありません。
腎の機能は老化(40代頃から)に伴って次第に低下し、精の蓄えが減少し、血流も悪くなります。
これを「腎虚(じんきょ)」といいます。腎が弱ってきているという意味です。
年齢を重ね、髪の毛が少なくなることだけでなく、髪につやが無くなり、白髪が増えるのも腎虚の症状です。
その場合は抜け毛だけでなく他の不調(腰痛、夜間尿など)も現れてきます。
ですから、髪の毛を健やかにするためには、「血」「腎」を補う治療をすればよいことになります。
・遺伝による抜け毛
良く世間でいわれている抜け毛です。
父親、母親が髪の毛が寂しい。
祖父が残念のような方はソワソワします。
遺伝は関係あるなしでたくさん議論されていますが漢方では遺伝すると考えます。
漢方では両親の状態を受け継いで産まれてきます。
父親、母親のどちらかが血の不足した状態で妊娠、出産するとその子供は受け継いで産まれてきます。
その場合、何もなければ両親と同じくらいに抜け毛が始まることになります。
両親が抜け毛であっても諦めてはなりません。
漢方薬、生活により体質は改善できます。とりあえず相談を。
・ストレスによる抜け毛(円形脱毛症)
ストレスによる円形脱毛症は、長期間のストレスによる場合が多いです。しかし、同時に血、腎に対処することも必要です。
症状としては一定期間だけの一時的なことが多いです。
まずはストレスを和らげることが最優先です。リラックスさせる漢方薬を使い、ストレスを感じにくい生活を心がけましょう。
ストレスを鎮めると良くなることが多いですが、必要であれば血、腎を補う漢方薬を追加します。
・抗がん剤による抜け毛
抗がん剤の副作用である抜け毛は正直止められんません。
どちらかというと抗がん剤治療後の復活が得意です。
漢方薬による治療
漢方薬を考える場合は髪の毛の状態だけではなく、からだの状態、不調も同時に聴かせてもらう必要があります。
漢方薬による治療はどちらかというと長くかかり1か月以上はかかります。
ですが一時的なものではなく体質から改善していきます。
薄毛で悩んでいる人は徐々に髪の毛が増えてきた人が多いです。
また、他の薬と併用するとより効果があらわれる場合もあります。併用する場合は必ず相談してください。
よく使う漢方薬
・八味地黄丸・・・加齢による抜け毛
・桂枝加竜骨牡蛎湯・・・ストレス、円形脱毛症
・当帰芍薬散・・・抗ガン治療、貧血気味の方、女性の方向け
他にも多数あり、症状、体質により選ぶ漢方薬が違います。
漢方薬師堂はカウンセリングを行ってから体質に合った漢方薬をご提案します。
漢方薬を煎じるのが面倒という方は煎じ代行をご利用ください。